第4章 クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル

クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル

4-43:ネコパンチ(大)

*** 『……何をしたぁ』  『雷蛇』を消しとばされた雷雲ネコさまの声はぐつぐつと煮えたぎっていた。だけど茶色いマイケルたちは取り合わず、 「よし、これで動けるぞ! 散開するんだ!」 「「ニャー!」」  とそれぞれに『風の獣』を操って雷雲ネ...
クラウン・マッターホルンの神造山脈と虚空のマイケル

4-42:突撃ネコ

*** 「よろしくお願い致します、風ネコさま」 『じゃー、さっさとあの小心者を吹っ飛ばせよー。びゅーん、て』  打ち合わせが終わるとまもなく、上空の黒雲からはびゅうびゅうと、雷鳴を上書きするほどの風の音が聞こえてきた。風ネコさまは『雷蛇』の...
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4-41:黒雲キャットケージ

***  ぶ厚く広がった黒い雲が空にフタをすると、無数の『雷蛇』がいきいきとその中を泳ぎまわる。空はひどく荒れていた。  教練で学んだことなんだけど、稲妻っていうのは秒速にすると約200キロ~10万キロメートルで走るらしい。これじゃあ、たと...
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4-40:ピューっと、舞う

*** 『おいネコー、このまま家まで送って欲しいかー?』  クラウン・マッターホルンの頂上の、そのまたさらに100メートルくらい上空で、不安定な風に浮かべられた茶色いマイケルは神さまの声を聞いていた。一見穏やかなその声は他のマイケルたちにも...
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4-39:丸焦げネコ

***  雷の柱が消えて、あとに残った4匹のマイケルたち。  子ネコたちが持ち上げているものを見て雷雲ネコさまは、立派なたてがみから赤い雷を四方八方にまき散らした。 『神の宝をネコどもがっ!』  そう、マイケルたちは神さまの宝でありこの登頂...
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4-38:ちょっかい

***  波打つ黒雲にむけて次から次へと突き刺さる、赤い雷。  放たれるたびに普通の稲妻とは違う、鋭い音をさせている。  4匹はそれを強張った表情で眺めているしかなかった。 『まだ頭が追いつかないか?』  首筋に舌を這わすような声だ。子ネコ...
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4-37:雷音

*** 『なぜ、ここにいるのだと聞いている』  空気が帯電しているらしく、子ネコの柔毛がわっと逆立った。周りを見れば、小さな光の筋がパリパリッと何もないところを走っている。  子ネコたちからの声はない。威圧感と切迫した状況に、身体が強張って...
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4-36:最後の欠片

***  4匹は尖った岩の周りで、風を浴びていた。  風と言っても微風も微風、ヒゲが無ければ吹いているのか分からないくらい。それでも茶色いマイケルたちは気持ちよさそうに目を細めていたよ。  ただ、そう長いこと浸ってはいなかった。険しい場所を...
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4-35:カーテン登りの果てに

***  子ネコの頃、よくカーテン登りをした。  幅広のカーテンに飛びつき、爪をひっかけてへばりつく遊びだよ。  どうしてカーテンにへばりつきたくなったのかは覚えていないな。下から見上げた波打つ布が「どこまで登れるかな」って言っていたのかも...
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4-34:ネコニシカタベラレナイタケ

*** 「クラウン・マッターホルンは古くから霊峰と崇められていて、事情を知らない若い空ネコたちでさえ神を身近に感じることがあったようだ。特に山頂付近では身に覚えのない声を聞いたと語る冒険家ネコたちも多い。不思議なことではあっても信じない理由...